阿蘇小国杉のくらし

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小国杉のこと

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国が認めた
小国杉が持つチカラ

こだわりの小国杉

森林の管理

サービス業や、同じ第一次産業である農業よりもはるかにGDPが低く、人材の高齢化が進んでいる林業。
しかし一方で、木の良さを見直し、国産材の自給率を上げようという国をあげての動きや、地方での暮らしが注目され始めたことにより、地方に移り住み、林業を生業とする若手が現れるなど、伸びしろの大きい、宝の隠された産業とも言われています。

林業は、単に木材を生産するだけの産業ではありません。地域経済を活性化させ、地方の雇用を創出することはもちろん、林業を持続させることは、田舎か都市かに限らず、国土全体のわたしたちの暮らしを守ることにもつながります。

森林の管理

雨水を受け止める緑のダムを育てます

森林は、空から降り注いだ雨水を一時的にその体で受け止め、少しずつ地中深くに浸透させて保水し、川の源流を生み出します。大雨の時も天然のダムとして、雨水が一気に都市へ流れ落ちるのを防いでくれます。

土砂崩れなどから地域を守ります

きちんと管理された森は木の根がしっかりと大地に張り巡らされ、通常の雨などでは土砂崩れなどが起きにくい、災害に強い土地になると言われています。
※近年の災害級の豪雨では、一帯の山林が木の根より深い部分から崩壊するため、倒木流出を防ぐのは困難と言われていますが、間伐を定期的にすることで強靭な立木が育ち、日頃の風雨には十分に耐えうる山林となります。

酸素を生み、空気を浄化します

木は成長するときに二酸化炭素を吸って、酸素を生み出します。新鮮な酸素の宝庫である森は、CO2吸収による地球温暖化の防止や、カーボン・オフセットの面で、環境問題の緩和にも貢献します。

豊かな土地と豊かな海を育む、豊かな森林をつくります

適切に手入れがされている森からは、あらゆる生き物にとって大切な養分やミネラルが生まれ、それらは川の流れに乗って下流まで流れていきます。
その養分やミネラルがたっぷりと含まれた腐葉土を使うと、野菜が美味しく育つと農家さんが言います。
また、下流の海は、豊かな良質の漁場になると漁師さんが言います
森の手入れが行き届かずに放置されてしまうと、山は光が入らず、木々はやせ細り、次第に荒れていきます。
山が荒れると、下流の海で魚が獲れにくくなるため、漁師さんが森づくりに励んでいる地域もあるぐらいで、昔から山の重要性を下流の人々は知っていたのです。

木材となり、私たちのくらしを支えます

森は、住まいを建てる木材や、家具などの木製品、日々使っている紙・パルプやバイオマスエネルギーなど、たくさんのモノを生み出してくれます。
休むという字は、ヒトが木に寄りかかってできているのも、おもしろいところ。農業、水産業、日々の暮らし、全ての根っこは森にあるのかもしれません。

250年の歴史が育んできた、小国町自慢の木

小国杉の森林

九州の中央、阿蘇山の裾野に広がる熊本県小国町。およそ250年前から、地域のシンボルである「小国杉」の森を、を幾世代もの人々の手で育ててきた林業の町です。

小国町の林業は、江戸時代、熊本を治めていた細川藩から各戸に25本ずつ苗木が渡され、林業が奨励されたことに始まると言われています。以来、古くは奈良・吉野まで林業を学びに行くなど、志ある林業家たちを多く輩出しています。国内でも長い歴史を持つ林業地であり、250年前に植えられたという立派な古い木々がそびえ立つ森が、今もなお残されています。

小国杉の品種は【ヤブクグリ】と【アヤスギ】

小国町でみられる杉は、【ヤブクグリ】と【アヤスギ(ヤクノシマ)】の2品種がほとんどを占めています。品種が違えば、もちろん、木々の性質も異なります。一つの地域で何種類もの品種を育てている地域もありますが、小国町はこのように品種が2つに限られているため、品質が揃った木材が集めやすく、安定した品質が求められる建築用材を揃えやすいという特徴があります。

ヤブクグリ

ヤブクグリ

淡いピンク色が強く、強度としっかりとした粘りがあるため、建築物の横架材や柱材に適しています。
木目が細かく、赤身が多いため害虫や湿気に強く、油ツヤも豊富。
苗木の挿し木栽培が容易で、植えた後も成長が早いという林業に適した特徴があります。

アヤスギ(ヤクノシマ)

アヤスギ(ヤクノシマ)

サーモンピンク色で、油分が多く、とても美しい色ツヤがあります。こちらも強度があり、柱材や板材に適しています。
年輪が正円ではないため、板に加工すると、ゆらぎの美しい笹目のような木目が現れます。
小国町では【ヤクノシマ】と呼ばれ、内装材として高い評価を獲得しており、多くの製材所が買い求めます。

恵まれた地域条件が生み出す高い品質

小国杉の年輪

小国町は標高400mを超える山間高冷地帯のため、九州・熊本でありながら平均気温は東北レベル。夏は比較的涼しく(ここ数年は暑いですが)、冬は凍結し、マイナス10℃の厳しい寒さが訪れます。
この寒暖の差があるからこそ、小国杉は九州の木の中でもじっくりと少しずつ育ち、木目の詰まった比重の高い丈夫な木となります。

また、阿蘇山が噴火して残った裾野部分に位置する立地のため、山の傾斜は急峻といわれる九州の中でもなだらかで高低差が少なく、その面でも木の性質が揃いやすく、建築において使いやすい木材に仕上がります。

小国杉の品質は実証実験に裏付けされています

小国杉の強度は国のお墨つき

小国杉の強度実験

小国杉は、昭和61年、国立林業試験場において、国内初(世界初かも)の、地域材強度試験(ボルト接合部強度試験、実大引張試験、板材強度試験)を実施。国の木造設計基準数値45を大幅に上回る70という数値で、引っ張り強度に優れていることが確認されています。感覚的な「強くて丈夫」という言葉のみならず、このように数値的な裏付けを整備し、公的機関からのお墨付きを得ている地域材は、国内でも珍しいと言われています。

小国杉の普通構造材の繊維方向の許容応力度(国立林業試験場)

こうして小国杉の【地域強度数値】が国から認められたことにより、国内最大の木造建築物と言われた小国ドームなどが作られた当時のエピソードは、こちらのロングインタビューに建築家・葉祥栄氏ご本人の言葉で述べられていますので、ぜひご覧ください。

杉の香りや手触りで免疫力がアップ

九州大学による小国杉の免疫力実験

平成16年11月、小国中学校で行われた九州大学芸術工学研究院の調査で、杉材を使用した学童机の香りや手触りが、ヒトの体内の免疫物質を活発化させることが明らかになりました。これにより、小国杉を学校などの施設や住宅に使用することで風邪をひきにくくなるなど、健康面での効果も期待されています。

乾燥方法による小国すぎ板材の揮発成分への影響調査(国立九州大学)
小国杉精油の抗菌活性・ヒトへの効果実験(国立九州大学)
食パンと小国杉材を一緒に保管した場合の抗菌力・調湿実験(自主実験)
なども実施しています。

国の施設にも使われる優れた性能

小国杉は、その裏付けされた強度や材質の良さ、色味の美しさから、全国の様々な場所で利用されています。

九州国立博物館(福岡県太宰府市)

九州国立博物館

小国杉の持つ湿度調節機能が、他の国立博物館で使用されている吉野杉などと比較しても遜色なく優れていることから、国宝などの展示物を納めておく収蔵庫の内装材として、国から選ばれています。
小国杉は湿度を調整する能力が高く、また収蔵物の劣化に影響を与える有機酸放出量が少ないと言われています。

阿蘇くまもと空港(熊本県益城町)

熊本空港(熊本県)

熊本空港の天井には、選び抜かれた美しい無節の小国杉が使われています。熊本の玄関口となる施設のため、熊本中の優れた木材を集めて作られていますが、写真内の格子状デザインの天井に使用されているような、これほど大きな木材で節がないものは他地域ではなかなか手に入らないことから、最も人の目に留まる部分には小国杉が採用されています。

小国ドーム、道の駅「ゆうステーション」、 小国町森林組合(熊本県小国町)

特産の小国杉を地域デザインのテーマとし、全国に先駆けた木造立体トラス構法(日本建築学会賞受賞)の小国ドーム(町民体育館)、道の駅「ゆうステーション」、小国町森林組合など、木造建築群13箇所が町並みを彩り、国内外から多くの視察も訪れています。

小国ドーム

小国ドーム

道の駅「ゆうステーション」

道の駅「ゆうステーション」

小国町森林組合

小国町森林組合

東京おもちゃ美術館(東京都新宿区)

東京おもちゃ美術館

新宿区にある小学校の廃校を活用したおもちゃの美術館として、年間20万人近くが訪れるという人気の施設。全国の木育(ウッドスタート事業など)を牽引する聖地としても知られており、館内には全国から集められた国産材を使った内装、おもちゃがふんだんにあります。館内はいつも子どもたちでいっぱいで、大人も童心にかえって遊ぶことができます。
その中には、大きな小国杉の磨き丸太がシンボルとして立つ、小国杉スペースもあり、人気の空間となっています。

イオンモール熊本(熊本県嘉島町)

イオンモール熊本

2016年に発生した熊本地震の被害により閉館していたイオンモール熊本が、2017年にリニューアルオープン。その増床スペースであるウエストスクエアの随所に、小国杉が多く採用されています。フードコート【トモイクテーブル】、子どもたちが遊べる木育遊具ゾーン【トモイク広場】、子どもの成長を共に見守るトモイクの森など、木のぬくもりあるハートフルなデザインの空間演出に使われています。
また、エントランスやエレベーター周辺の壁材、トイレの内装などにも多く使用されている他、館内各所には小国杉を使った案内ボードが設置されています。

未来の森へデザインしていく【森林経営計画】の高い策定率

SGEC認証

山林を所有する森林所有者は、5年単位で森の経営プランを策定することが推奨されています。内容は、いつ頃伐って木を売りに出し、再び植樹して森づくりを進めるといった山のお世話のことや、地域全体で見た時に経済林や水源林などどういう機能を持たせるのがいいかといった、森を最適化するデザインなどです。このプランを【森林経営計画】と呼び、これに基づき適切な林業が行われることで、地域一帯の森林環境を健全に保ち、林業の効率化を行います。

計画の策定率は、全国平均28.3%(2015年)に対し、熊本県小国町では長年に渡り70%を超える高い水準を保っています。小国町森林組合では、森林整備課に所属する職員は【森林施業プランナー】の資格を全員が取得し、森林所有者により最適なプランを積極的に提案、サポートします。こうして、小国町の森林所有者の多くの方に森林組合員となって頂き、共に未来に向けて計画していくことで、より良い健全な森づくりを進めています。

また、地域の多くの山林の状況を把握できるからこそ、小国町森林組合では、公共建築に適した材料や特殊な木材を森から直接ピックアップし、販売することも可能となっています。

食べ物のように生産者の顔が見える木材

SGEC認証

小国町森林組合は、適正な森林管理と環境に配慮した木材の証明である【SGEC】と【SGEC-CoC】の認証を全国でも2番目に取得しています。SGECは、いわば森林のISOとも呼ばれる第三者認証で、厳しい審査と更新手続きを経て得られるものです。
小国町の山林の多くが認証された森林であるため、小国町の林業は環境に配慮された持続可能なシステムの元、行われているといえます。また、山で伐られた木材がお客様の手元に届くまでの流通経路がクリアで、公正なルートであることを追跡可能。食べ物のトレーサビリティのように、産地や生産者を選べる安心感は、どこでもできることではありません。

お問い合わせはこちら

小国町森林組合 TEL:0967-46-2411
(受付/平日9:00~17:00)